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わらびの日誌

please forget me not, but I'll forget you. so it goes.

もしも私が物語を書いたら

今週のお題「私がアツくなる瞬間」

 大学を卒業して2か月になる。長かったような、短かったような2か月だ。みんなで1冊の本について話したり、小説のテクニックの講義を受けたり、作品の合評をしたり、あたりまえのようにやっていたことをいまはもうやっていないのが不思議でたまらない。課題の締切に追われて明け方まで書いていたことも遠いむかしのできごとになりつつある。4年間書く勉強をしてきたけれど、こうやって、わたしたちは書かなくなるのかもしれなかった。

 でも、あのころのわたしたちは間違いなく書いていて、卒業制作の講評会の日にはひとり25分ずつ青いソファにすわって、先生や後輩たちの感想や意見を聞いたのだった。わたしもおなじゼミのひとの作品はきちんと読んで、感謝のきもちをこめて意見を言った。コメントをもらえたのが嬉しくて泣いたり、ときには先生から厳しいことばが飛んだり、講評会は静かに白熱していた。誰かが青いソファにすわっては、立ちあがって、4年間を終えていく。もうこれで終わりなのかとおもうと青いソファにすわりたくなくって、立ちあがりたくもなくって、それでも25分が過ぎて、卒業式が済めばどこかで働きだして、そうして大人になるのだ。

 あの日ほど4年間が大切な時間だったとおもったことはなかった。おたがいの作品について誠意をもって話す日はもうこないかもしれないけれど、もしもわたしがなにかを書いたら、好きだとか嫌いだとかそんなことでもいいから、感想を言ってほしい。

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