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わらびの日誌

please forget me not, but I'll forget you. so it goes.

ふたり

今週のお題「夏の食事」

 友人と恋人は似ている。文房具が好きだったり、書道が得意だったり、友人とわたし・恋人とわたしよりもいろいろと共通点がある。ことしの夏はふたりともほぼおなじタイミングでかき氷が食べたいと言いだした。

 食べものにたいする興味が薄いわたしにとってかき氷は家で手軽につくれる冷たいおやつなのだけれど、ふたりが言うにはお店で削った氷のふわふわ感が大切なのだそうだ。氷がふわふわってどういうことなんやろうかとおもう。そういえば、外でかき氷を食べたのは祇園祭のときくらいしかなかった。宵山歩行者天国から離脱して中央分離帯にすわり、屋台のかき氷を食べるのだ。氷はふわふわではなくしゃりしゃりしていたけれど、蒸し暑さがやわらいで生き返ったきもちになる。かき氷は生命の危機を救う食べものなのだった。

 6月のなかば、友人とかき氷を食べにいった。友人はいちごミルクのかき氷をおいしそうに食べている。わたしは宇治抹茶に挑戦した。甘味はほとんどなくって、抹茶をそのままかけているような感じで苦味のほうが強かった。このまま溶けてしまったらただの冷たいお茶になってしまうとおもって急いで食べようとするのだけれど、屋台のかき氷の倍以上も量があって山になっているかき氷はなかなか減らない。冷たさで舌がしびれてきてだんだん味が分からなくなってくる。口があいているのかとじているのかも曖昧だった。いままで生命の危機を救ってくれたかき氷にノックダウンされそうになっていた。友人のほうはぺろりと平らげている。わたしのかき氷のほうがくるのが遅かったのもあるけれど、食べ終えるのがやけにはやい気がした。

 恋人が赤福氷を食べたいと言うので、この夏は赤福氷を食べるためだけに伊勢にいくつもりだ。友人と恋人は似ているから、きっと恋人もあっというまにかき氷を食べてしまうのだろう。小学生のころ、絵を描くのが上手すぎたせいで図画工作の授業の絵がなかなか仕上がらなくて、放課後にふたりが教室に残ってならんで絵の具を塗っていた姿をなんとなくおもいだした。あのときから、ふたりのことが好きだった。 

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