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わらびの日誌

please forget me not, but I'll forget you. so it goes.

地球

今週のお題「思い出の先生」

 「もしそこらへんを歩いてて地球がまるいなあって感じるようであれば病院に行ったほうがええよ」なんて高校の理科総合の先生が冗談で言っていたけれど、地球ってまるいよなあとおもうのだった。お気に入りの川沿いの道を歩いているとき、地球はとくにまるくって、建物がすくなくて視界がひらけているから空がドーム状に見えた。中学生のころは通学路でもないのにわざわざその道をとおって家に帰ったりもしていた。大きすぎる空を首が痛くなるくらい見上げて、ちょっと憂鬱になりながら、いつか楽しい日がくるといいきかせながら歩いた。

 理科総合の先生と仲よくなったのは、授業をうけていた1年生のときではなくて3年生のときからだ。部活の顧問の先生が変わって、その顧問の先生の席が保健室にあったから、おなじく保健室に席がある理科総合の先生と顔をあわせる機会が増えたのだ。会うたびになぜかからかわれるのだけれど、チョークで黄ばんだ白衣のポケットにいつも忍ばせているらしいお菓子をこっそりくれた。卒業してからも、保健室をおとずれるたびにからかわれた。でも、大学の卒業制作で調べていた大地震の資料を探してきて教えてくれたり、進路をどうしたらいいかいっしょに考えてくれたり、やっぱりお菓子をくれたり、担任の先生でも部活の顧問の先生でもなかったのになにかと好意を受けている。

 さいきんお気に入りの川沿いの道を歩いていない。未来のことばかり考えるのをやめたら、目の前にある日々がなかなか良いものだとおもえるようになった。理科総合の先生はことしいっぱいで定年退職するらしい。地球がまるいと感じたら病院に行くべき説がとなえられるのもことしで最後だ。

 どこにいたって、いつまでたっても地球はまるい。まるくていい。

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