わらびの日誌

Please forget me not, but I'll forget you. So it goes.

without HM

今週のお題「バレンタインデー」

 2016年2月11日、HMを卒業した。HMとはケーキだってクッキーだってつくることができる魔法の粉、ホットケーキミックスのことである。

 料理もなんでもこなせそうと言われたことがあるのだけれど、わたしがつくれる料理といえばたまご焼きとフレンチトーストくらいしかない。ずっと実家で暮らしているのもあって、料理をする必要もなく23年間生きてきてしまったのだった。そのくせしてバレンタインデーに配るお菓子はチョコレートを溶かして固めるだけでは嫌で、小学生のころはなぜか堅焼きになってしまうクッキーを大量につくっていた。好きなひとがいるということがステータスみたいになっていた時期だったから、無理やりこのひとが好きなのだとじぶんを勘違いさせて毎年違うおとこのこにクッキーを渡していたのをおもいだす(そのなかにはいまの恋人もいて、むかしから好きやったんやろなんて言われて恥ずかしくなったことがあった)。

 ことしのバレンタインデーはフォンダンショコラに挑戦した。わたしにとってバレンタインデーはお菓子のつくりかたを覚える日になりつつある。クックパッドの検索欄に「フォンダンショコラ 簡単 レンジ HM」と入力してから、HMの2文字を消した。これまでお世話になってきたけれど、HMにはなにをつくってもホットケーキ味になるという弱点があるのだ。便利さよりも味を求めて、ことしは薄力粉なるものを使ってずぼらせずにつくることにした。

 レシピはとてもかんたんで、板チョコとマーガリンを湯煎してあわせ、たまごに砂糖を加えたものを白くなるまで混ぜて、薄力粉とココアを茶漉しでふるいながら入れ粉っぽさがなくなるまでよく混ぜあわせるだけだ。あとはマフィンカップに流しこんで200度で余熱したオーブンレンジで10分焼いて、冷蔵庫で冷ましたら完成だ。たまごが白くなるってどういうことなんやとか、入れ粉っぽさっていつなくなるんやとか疑問を抱きながらつくったフォンダンショコラは、温めなおしてスプーンで穴をあけるとチョコレートがとろけていた。成功である。

 そういえば、むかしはバレンタインデーにお菓子を渡すのはホワイトデーに好きなひとにもう一度会う口実にすぎないなんておもっていた。堅焼きクッキー大量生産者と化していたころよりは好きなひとに美味しいお菓子をつくることに喜びを感じるから、じぶんでもわからないところでこころが成長しているのかもしれない。

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