愛してやまないがま口の
今週のお題「愛用しているもの」
がま口のポーチの存在を知ったとき、まだ実物を見てもいないのになぜだかしっくりきたのだった。物欲にとりつかれると四六時中ほしくなったもののことばかり考えてしまうから、その年の誕生日プレゼントはあやの小路のがま口のポーチで決まりだった。お店はがま口の商品で満たされていて、お目当てのポーチのほかにも小銭入れ、ペンケース、バッグなどがある。こんなものにもがま口をつけるのかと、見ているだけでもおもしろかった。
がま口のポーチはおもったとおりよかった。ぱちん、とひらけば中身がよく見えるし、取りだしやすい。てきとうにつっこむとがま口がうまくしまらなくなるので、中身を整理する習慣もついた。長いあいだ、高校の後輩にもらった大きなポーチに持っているコスメをすべて入れて持ち歩いていたのだけれど、そちらのポーチは持ち歩く必要がないものを入れる用にして、持ち歩き用はがま口のポーチを使い、中に入れるものを選ぶようになった。おかげでかばんもすこし軽くなった気がする。
がま口熱はまだ冷めない。その年のクリスマスには眼鏡ケースを買ってもらった。鎌倉に行ったときには印鑑ケースを買った。いいところはたくさんあるけれど、なによりも、ぱちん、とひらいたりとじたりする感触が好きだ。がま口のダッフルバッグがかわいいなあとおもいつつ、なかなかいいお値段なのでいまは手が出せそうにない。とても、とてつもなくいいことがあったときのご褒美にしようとおもう。