11月の世界

今週のお題「お気に入りの紅葉スポット」

　小学生のころ、黒板の端に書かれた11月の日づけがなかなか進まないから、これから11月が永遠につづくんでないかとおもえてなんだか苦手だった。けれども、もう12日も経過しているのだった。

　毎年この時期がくると南禅寺に行きたくなる。色づいた落ち葉が降り積もって絨毯みたいになるのが好きで、いつまでも足元をながめていたくなる。それでも行きそびれてしまうのは、11月はとても長くて、まだ秋は終わらないから大丈夫だとおもってしまうからだった。

　いつのまにか、桜並木の葉が赤色に変わっていた。秋はもうやってきていた。道路には落ち葉が降り注ぐ。風にあおられた葉がくるくるとまわる。紅葉の見ごろをはかりながら、きょうも自転車をこぐ。のろのろと、それでも確実に、11月は消費されていた。