わらびの日誌

Please forget me not, but I'll forget you. So it goes.

積ん読山にようこそ!

今週のお題「わたしの本棚」

TRIPS!⑬積ん読山にようこそ!

  積ん読山に猫がおしっこをしてしまったことに気づいたのは、ツイッターで大量の積ん読をかかえていることを告白しようとしたときだった。まずことわっておくと、猫はわるくないんである。その日、猫がまだ部屋にいることに気づかずに扉をしめて出かけてしまったのだった。そりゃあ、朝から晩までとじこめてしまったのだから、おしっこをされても猫ゲロをされても文句はいえない。さて、猫はおなじ場所でくりかえしおしっこをするから、おしっこがかかっている段ボールは処分してしまわないといけない。しかし、そうなると中身の本の行き場がない。そこで、積ん読山を一度解体し、再建するにいたったのである。

 まずは手ごろな段ボールを手に入れるところからはじまった。読了していない本は本棚に入れないことにしているので、段ボールだ。ここで重要なのが持ち手の頑丈さだ。上のツイッターの写真のように持ち手がべりべりとめくれてしまっていると、持ち運ぶのにいちいち箱の底に手を入れないといけなくって、とにかく不便なのだ。そうして見つけてきたのがLOFTに売っている段ボール箱だった。持ち手の板紙が二重になっているところと、ふたが別でついているところと、ちょっぴり異国感が漂っているところが気に入った(ちなみに、巨大な商品なのでバスで持って帰ってくるのにたいへん苦労した。いっしょに運んでくれた恋人に感謝している)。

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  あたらしい段ボール箱に本をつめかえておわりにしてもよかったのだけれど、ふと興味がわいたので積ん読の蔵書リストをつくることにした。著者名とタイトルをエクセルに入力するのに2時間かかった。無造作に積み重ねていた本は172冊あった。ほとんどが大学の課題図書だ(学生のあいだに読んでおけばこんなことにはならなかったのだろうけれど、1回生のおわりに金井美恵子さんの「プラトン的恋愛」を読んでから本を読むのも小説を書くのも怖くなってしまってそれどころではなかった)。短篇集で1作だけ読んでほかのを読んでいない本や上下巻で上巻しか読んでいない本も積ん読あつかいなので、バタイユの「目玉の話」とかゴーゴリの「鼻」とかなつかしくて、横光利一の「春は馬車に乗って」はだいすきなのにまだ積ん読山にあって、ヘミングウェイの『誰がために鐘は鳴る』のキスシーンのことをずっと覚えていて、ボルヘスは課題で先生に怒られたのがまあまあトラウマで、ほかにもおもしろそうな本をたくさん持っているのにいままで読んでこなかったなんてもったいないなあとふっと悲しくなったりした。本はひとに読まれて本になるのに、積ん読山の栄養分にしてもしかたがないことをしばらく忘れていたのだった。

 リストをつくったあとは、日本の作品と海外の作品にわけてあたらしい箱につめこんだ。単行本は入りきらなかったので猫のおしっこの被害を受けなかった箱を再利用することにした。本を詰めるときにいつも背表紙をうえにするべきなのか、平積みするべきなのか悩む。

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 こうして、夜中の2時にすべての作業がおわり、積ん読山の再建に成功した。ダイソーで買ったふたつで100円のマスキングテープでふたをデコレーションしてみた。遠目から見てもかわいいので満足している。無造作な積ん読山から、ちょっぴり女子力がありそうな積ん読山になったとおもう。積ん読山の172冊はみんな読むべき本だけれど、ことしは単行本を読破するとか、ことしはもらった本を読破するとか、目標をたててもあまりうまくいかないのでぼちぼち読んでいくことにする。ちなみにつぎに読む予定の本は図書館で借りたショパン関連の本である。いやいや、そこは積ん読山から読むんとちゃうんかい。

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