わらびの日誌

Please forget me not, but I'll forget you. So it goes.

会いにゆきたい人はいますか、今。

今週のお題「マイベストエントリー」

 会ってみたいひとということで、と言われて、烏丸御池駅で出口を間違えて三条通に出てしまったこととか、約束の時間が迫っているのにまだ株式会社はてなに辿りつけていなくってめげそうになっていたこととか、どうでもよくなってしまうほどうれしかった。

 ことしの4月から今週のお題が更新されるたびにエッセイを書いてきた。「明日また会うかのようにサヨナラ言えたなら」を書いているとき、学科に守られずに文章を書くことや仕事が決まっていないことで不安になっていて、いっしょに書いてきたともだちと会えない寂しさも重なって涙がとまらなかった。あのころは左手の薬指がなかなか動くようにならなくって、通院しているうちに季節がめぐって、桜が咲いて、散って、そうしてこのまま時間がすぎていくのが怖くてしかたがなかったのをよく覚えている。それから木曜日になってIDコールされて、キャンペーンの優秀賞に選ばれて、肩書きのない無名の存在でも文章を読んでもらえるのだと知ったのだった。

 「メメント・モリ」を泣きじゃくりながら書いたり(ことしは泣きながら文章を書くことが何回もあって我ながらきもちわるいなあとおもっている)、あまりゾクッとした経験がないなかで「人生でわりと踏まないもの」をおもいついてほっとしたり、「strawberries on the cake」や「過去編・未来編」でおさないころのじぶんをおもいだしてみたり、学生のころとは違っていろいろな視点から文章を書くことを意識できて、まだまだつたない文章だとはおもうのだけれど、力にはなったとおもう。

 いまのわたしにはなんにもないからせめて書きつづけようと決めて8か月がすぎた。正社員ではないけれど仕事をはじめた。文学フリマでじぶんが書いたものをかたちにした。2次選考には残れなくって悔しかったけれど小説の公募の1次選考に通過した。ブロガーヒアリングということではてなブログのかたとおはなしすることができた。なんにもなくないな、とおもう。けれども、書きつづけたおかげで出会えたひともいるから、これからも書くことにする。

 さいごに、いままで書くことをおそれてきたともだちにむけて、金井美恵子さんの「プラトン的恋愛」の書きだしを引用してことしの文章を終える。ずっとおそれていてもいいし、傷ついてもいいから、もっと書けばいいと言ってくれたあなたにも書きつづけてほしいのだ。もっとも、彼女はてきとうに発言する節があるからわたしにそう言ったことも覚えていないかもしれないけれど。

 〈書くということは、書かないということも含めて、書くということである以上、もう逃れようもなく、書くことは私の運命なのかもしれない。〉

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